2009年2月18日水曜日

17 死刑と無期

江東区女性殺人事件 星島被告に無期懲役

一人では死刑にならない。死刑と無期のあまりに大きな違い‥

計画性がなく、残虐極まりないとはいえない‥?らしい。

この事件、自分が遺族ならやはり死刑を求刑するだろう。しかし、裁判員ならどうだろうか?当然死刑だときっぱり言い切れるだろうか‥‥。

今日のブログは一昨年、傍聴に行った吉野川DV殺人の公判の記録です。この時は裁判員制度を意識したはじめての公判だと新聞にありました。
完璧で周到な計画殺人でした。
しかし、徳島地裁で無期懲役の判決。高裁でも反省しているからと無期でした。

以下の記事は一昨年メール『しま子便り』で配信したものです。写真と記事がブログに入れたらずれましたが、修正できないので頭の中で合成して下さい。



▼警官が行った殺害の再現写真から書き取ったイラスト

▼被害者の遺体の傷の説明。スクリーンから書き写す










● 4月26・27日、吉野川市DV被害者殺人事件・裁判の傍聴
 この事件はH18年12月のクリスマス前、家庭内暴力から逃れて別居していた妻の居場所を接見禁止命令が出されていたにもかかわらず夫が探し出し殺したとして殺人、DV法違反、住居侵入、銃刀法違反で起訴されているものです。
木村輝彦被告の初公判を傍聴に行きました。
 二日間の傍聴でB5ノート18ページ半にメモしました。
「証拠」とその説明がくわしくありました。
裁判では多数の証拠が示されました。
裁判員制度を意識し証拠をできうる限り見せて聞かせたという感じを受けました。若い男女二人の検事により多数の調書の朗読のほか、数多くの写真や図が、検事側、犯人側の双方の壁際のスクリーンに映し出されました。殺害凶器は現物【脇差し・包丁3本】を持ってきていました。
傍聴席から向かって左が検事、右が犯人でした。

・殺害現場の状況
開廷に遅れて入った私の目に最初に飛び込んできたのは、被害者が殺された玄関の血まみれのスニーカーの写真でした。
このほか若い男性検事が殺害直後の現場写真の数々を説明していました。
遺体の位置は(遺体は無い)白い線で囲んで示されていましたが、血痕はそのままでした。

・被害者の遺体の傷の説明、
全身22ヵ所のきずについて、場所、長さ、深さ、状態を順番に説明。
1、頭の傷、長さ8.4センチ、深さ1.2センチ、5.6センチにはくり(剥離?)
・・・・・・・・・・
22、足、長さ1.6センチ、せっちゃくしょう2.4センチ筋肉内に達し深さ5.6センチ。右肺3ヵ所、肝臓3ヵ所、左心室に内膜下に出血。
胸腹部・肺・肝臓に損傷することによる失血死。
死亡推定時刻の説明。

 

▼被害者の傷。図の傷には番号がついていました
傷の状態から凶器を推定、「日本刀と考えることもできる」

証拠書類には解剖写真も提出。順番に説明。
(スクリーン表示はありませんでした。裁判員になったらこれも見るのでしょうか)
「心臓を開けた写真」
・・・・・・・・
「目の奥を通って脳まで通っている写真」
・・・・・・・
■裁判官からの注意
この説明が終わった頃、不意に裁判官が検事に
     「解剖写真は本当に必要なのですか」と聞きました。
検事は、「調書で分かるが、どれだけの傷かは写真が必要」
しかし裁判官は 「必要とは考えないので排除します」

検事は「異議あり、写真は必要」

「6ごうしょうの写真があるので、7ごうしょうはこれでおわり」とか
 (語尾がメモできず)
終了後、傍聴に来ていた若い弁護士に解説を聞く機会がもてました。
彼も「ぼくも写真は必要と思う」と言ってましたが、、、、

・現場の部屋の見取り図、
犯人が待ち伏せしたあと子供たちが順番に帰ってきてどこに居たか、最後にお母さんが帰ってきて・・・・と、見取り図で調書の説明。

・殺害時の状況を再現した時の写真などなど・・・。
殺害時の服装の写真や乗って来た車の写真も見せていました。

▼下の図は殺害の再現写真から。

「私は確実に殺せるようにこのように構え思い切り右手を突き出した」
ブスブスと服にすれる音がして刺さった・・・・
そして・・・・・最後に顔を傷つけた。

(めった刺しにした順番の供述もありました)



 
▼下の図は犯人の木村です。両脇に刑務官が座っています。
この絵を一緒に傍聴した人に見せたら「似ている」と言ってくれましたが本当はこんな団子鼻ではなく、目もこんなつぶらな目ではありません。
(誤解を与えるとしたら似顔絵はマイナス・・・・)

終始無表情でしたが、被害者の家族の調書の朗読などをしているかなりな間、早いまばたきをしていました。



 被害者が逃げた住居の写真も見ました。家具を買い揃えこれからの生活に夢と希望を膨らませていたことが分かります。
被害者がクリスマス用に子供たちに買って押入れにしまっておいたプレゼントの品々が長女の調述とともに映し出されたりもしました。

警察も11月には犯人に「分かってるよなあ、近づいたりしたら警察も動かないかん様になる」と釘をさしてはいます・・・。もっと打つ手はなかったのでしょうか。

興信所に依頼してあくる日居場所が分かったことが不思議でした。これさえなかったらと何ともいえない気持ちでした。

それにしても・・・・・まだ感情移入してしまいます。結局断片的な報告になりました、行ける方は次の公判を傍聴に行きましょう。私は午前中しか傍聴できません。
■次回、5月8日9時45分~午後5時
木村被告自身が言い分を話す予定です。

 

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